パノラマVR表現の新しい形「みんなのパノラマ絵本」

昨年末ぐらいに、Googleアラートに引っかかってきていて、ちょっと興味あったんですが、いろいろとバタバタしていて、腰を落ち着けて見ることが出来ませんでした。
bloggieも帰っていって一段落ついたところで、やっとご紹介することが出来ます。

QuickTimeVRを使って、新しいパノラマVR表現にチャレンジしている意欲的なサイトが、またヒトツ登場しています。
それが今日ご紹介する「みんなのパノラマ絵本」です。


ぐるぐる360°楽しめる!みんなのパノラマ絵本オフィシャルサイト
http://www.panoramaehon.net/

このサイトは、絵本を見せるサイトなのですが、そのコンテンツは全て書き下ろしで、なおかつ制作の初っ端からQTVRを念頭に置いて作られているのです。
まずはサイトを訪れてみることにしましょう。

HOME画面の左側のメニューから「みんなのパノラマ絵本」というメニューを開くと、コンテンツリストが出てきます。
現在は「ねこを売る少女」という作品のみが紹介されています。

早速これをクリックして、開いてみてください。
コンテンツは、朗読音声のQuickTimeムービーが一番下に配置されています。
最上段には挿絵、そしてその直下には物語のテキストがあります。

3ページ目の挿絵の部分にカーソルを合わせると、カーソルの形が変わることに気付きますね。そう、このコンテンツがQuickTimeVRパノラマで制作されたコンテンツです。
全ての挿絵がQTVRで作られているワケではなく、幾つかのコンテンツに採用しているようです。それでも空間よる時系列のインタラクティブ性を持たせるようなストーリー展開に用いる、非常に必然性の高い使い方だと思います。
(たまにフェードイン/アウト構成のFlashムービーコンテンツもあったりします)

各ページのヘッダ部分に、その挿絵から起こしたヘッダ背景が置かれていますが、QTVRコンテンツのページでは展開した円筒パノラマ画像が使われています。
実はパノラマVRコンテンツを念頭に置いて360°パノラマの絵を描くのは、かなり難しい作業です。360°パノラマ画像を水平線構成の多い空間で写し撮ると、その水平線はどうしても円弧を描いてしまいます。パノラマVR空間では水平に見えるこの水平線の構成物を、絵を起こす時に計算して描かねばならず、その苦労が垣間見えますが、非常に綺麗な絵を起こすことに成功していますね。

絵本のストーリーや絵そのもの、サイトデザイン、全ては稚拙でお世辞にも上手いとは言い難かったりもしますが、全体のまとまりは非常に素晴らしく、コンテンツとして見せるに耐えられるモノになっていると思います。アートディレクターの腕の見せ所、と言ったところでしょうか。

惜しむらくは、挿絵画像〜パノラマVR〜Flash〜ナレーション〜テキストが全てバラバラなのが気になります。
それを全てシームレスに統合して一つのインタラクティブコンテンツに仕上げられると、非常に完成度が高いものになるのではないでしょうか?
また、QTVRコンテンツをダンロードしてわかったのですが、表示サイズこそ320×240pxですが、実質解像度は非常に高く、フルスクリーン表示もぜんぜん問題ない程でした。であるならば、絵本に没入感を与えられるフルスクリーンのFlashVRコンテンツに仕立てる方が、いろんな可能性が見られるような気がします。

どうやらこのサイト、まだまだアイデアがあるようで、今のところ作品はひとつだけですが、興味ある人がどんどん参加して、いろんな作品を載せていければ、という野望もあるようです。

なお、本サイトのベースになった、パノラマVRを利用した絵本への応用に関する小論文があります。
こちらはパノラマ屋には興味深い一節じゃないでしょうか?こちらもぜひご一読アレ。

■ (PDF)パノラマQTVRを使用したビジュアルコミュニケーションの可能性(大阪美術専門学校総合デザイン 細沼俊也准教授)
http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/annai/seikahoukoku/h20/hosonuma.pdf

そして、このサイトの絵本作者のひさゆきさんが、制作秘話などを公開するブログもあります。
併せてご覧になってみては如何ですか?

ぐるぐる360°楽しめる 「みんなのパノラマ絵本」
http://panoramaehon.blog74.fc2.com/


このブログでパノラマVRによる絵本コンテンツと言えば「王様の耳はロバの耳」でしょうね。
上記で紹介した論文にも挙げられていました。

□ QTVR Diary - 2007/09/24『「王様の耳はロバの耳」をQTVRで!

しかしこのサイト、今はなぜか閉鎖されていて見ることが出来ません。今となっては、全てダウンロードしておかなかったことを悔やんでいます。

そしてもう一つ。アート作品としてのパノラマVRイラストレーション作品もご紹介しました。

□ QTVR Diary - 2008/05/26『kozyndan

このカップルの生み出す作品は、未だにその熱量が衰えることなく、泉のようにどんどん湧き上がるエネルギーで溢れかえっています。
最近もまた新作が発表され、いつ訪れても飽きることがありません。


せっかくこういう場がありますので、この日本からもパノラマVRイラストレーションの波を起こしてみたいと思いませんか?
ちなみに拠点は大阪ですが、国内外問わず、いろんな方とコラボレーションしたいそうです。
興味が湧き上がったかた、ぜひ参加されてみては如何でしょうか?

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