イベント予習(3) : 動画パノラマVR(モーションVR)概説

いよいよ面白くなってくる話題が続きますよ。
今後、間違いなく需要が増えてくるであろう『動画パノラマVR』について、お話したいと思います。


『動画パノラマVR』とは、動画の視点がリアルタイムにぐるりと見渡せる方式の映像です。英語では「MotionVR」と書いたりします。
古くは、Quicktime映像を特殊に変換させてマウスカーソルのドラッグによって水平方向に360°視点を移動させられるコンテンツを、数多く配信しているサイトがあります。

MotionVR of the Month 2006 calendar
MotionVR of the Month 2006 calendar
http://www.worldinmotionvr.com/motionvr_month/calendar.html

「2006」と書いてある通り、誰もやっていない頃から動画パノラマに意欲的にチャレンジしていたプロダクションでしがた、時代が早すぎたのか、今は積極的な展開をしていないようです。

作品を見ると、側面が非常に歪んでいるのが分かります。もしかしたら魚眼レンズを前後2枚で撮って、後で貼り合わせて1枚のムービーに仕立てているのかもしれません。
類い稀なるアイデアと多大なる労力の賜物と言えるでしょう。


上記のサイトでは少々無理矢理な作り方をしてるように思えますが、一番現実的なソリューションは、カメラを全方位に向けて複数台設置し、それを1フレームずつ合成しながら動画に展開するものが挙げられます。
一番有名なデバイスは、グーグルのストリートビューの撮影機材として一躍脚光を浴びた「Ladybug」でしょう。
(ストリートビューの撮影では、車の天面にLadybug2を装着して動画映像の流し撮りを行い、数10メートル間隔でビデオ映像をキャプチャして画像を抜き出しています)


Ladybug2 - 株式会社ビュープラス - IEEE-1394カメラ・ステレオビジョン・全方向カメラ
http://www.viewplus.co.jp/products/ladybug2/index.html

PointGreyResearch社が開発したこの製品は、水平5枚+天面1枚の計6ショットを同時に撮影することが可能が1024x768pxのCCDを配し、最大30FPSで画像を生成することが出来ます。このデバイスで全方位視野の75%をカバーし、トータルで4.7メガピクセルのパノラマ画像(水平のみのパノラマでは3,800px)を生み出します。
このヘッドユニットから専用光ケーブルで送出されるデータは、30FPSの非圧縮画像(135MB/s)です。これを個別に用意された圧縮ユニットに転送し、80MB/sのJPEG画像に圧縮した上でIEEE1894(FireWire)ケーブルによってPCに転送する仕組みです。また圧縮ユニットでは、出力画像の画質によっては15FPSの非圧縮画像を送出することも出来るそうです。

Ladybug2そのものはサポートが保証された専用ソフトウェアではなくSDKがバンドルされていますので、利用者各々が自身の環境に合わせて専用アプリケーションを開発していく方式を採っています。しかしそのSDKには、ソースコードだけでなく、非常に有用なサンプルプログラムが多数同梱されていますので、購入してすぐに使えることは喜ばしい限りです。

購入時にはペリカンケースに入って納品されますので、携帯性にも優れ、取扱が非常に楽です。

昨年10月の東京出張の際に、日本の輸入総代理店である株式会社ビュープラスに訪れ、実機を拝見してきました。
思った以上に小さく、またケースでの携行性も確かめて来ました。ストリートビューでの大量使用により国内での販売価格も下がり、その当時で145万円という価格は、ボクが以前聞いていた値段よりも遥かに安く、ちょっと頑張れば導入できる金額になっています。
昨年発表された「Ladybug3」は解像度が飛躍的に向上し、6個の1600×1200pxのCCDを配して12メガピクセルの画像を15fpsでPCに送出します。およそ220万円という予価が付いている製品ですが、つい先日、国内リリース第1号が某大学に納品されたと聞きましたので、今後はこのLadybug3が巷に散見されることでしょう。
興味のある方は、ぜひ問い合わせしてみては如何でしょうか?

(クリックすると拡大します)

株式会社ビュープラスは、元々は通信と画像処理と繋げ、新たな映像の創出を念頭に置いた研究開発を目的とした会社で、様々な研究機関とのコラボレーションによって産まれた技術の製品化が主業務のようです。
実は以前より非常に興味を持っていた動画パノラマ入力デバイスがあり、そのデザインが余りにカッコ良くて、いつかこのブログでもご紹介しようと思っていたものがありましたが、何とそのデバイスの製造販売を行っているのが、この会社でした。
下記の写真はそのデバイスで、3ツのCCDを配した三ツ又のユニットを立体的に組み合わせることにより、全方位動画を撮影することが可能になっているというものです。ユニットの組み合わせる数で解像度を上げられる仕組みにしてあるようで、一番大きいもので"そこそこのベンツ一台"って仰ってました(笑)。
今後の活動も目が離せません。

(クリックすると拡大します)


全方位撮影が出来るデバイスとしては、他にも米IMMERSIVE MEDIA Corp. (IMC)社の開発した「DODECA 2360」が挙げられます。このブログで以前紹介した時にはかなりの反響がありました。
ストリートビューの撮影機材になるのではと言われていましたが、結局のところグーグルはLadybug2を採用したようですが、それでもその圧倒的なデータ量は未だ褪せること無い魅力的なデバイスです。


Dodeca 2360 Camera Head & Base Unit - IMMERSIVE MEDIA Corp. (IMC)
http://www.immersivemedia.com/products/products.php?pageID=70


このようなハイエンドクラスの世界では、既に動画パノラマVRは既に実用レベルに達していて、グーグルのような大量生産が必要な企業に非常に有効な手段となっているようです。


しかし、もっと安価で簡単に動画パノラマを実現する方法も、実は存在します。
それが今回の目玉コンテンツとしてご紹介したい、ワンショットミラーを装着したビデオで撮影した動画を用いる方法です。

昨年の5月頃からボクも動画パノラマにチャレンジし始め、秋頃には幾つかのコンテンツを試作しました。
その後本業が忙しくなり試作を中断していましたが、今回のイベントに際し、新たに撮影したコンテンツをご披露しようと思っています。

明日のお話を、お楽しみに!


2009年2月14日(土)16:00〜18:00 参加無料のイベントです。お気軽にお越し下さい!
親睦会(参加費6,000円)の参加申込もこちらからどうぞ

QTVR Diary -OFFLINE- vol.8

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コメント(2)

WorldInMotionVRのサイト、FAQからのリンクでVRMAGのページに行き当たりました。
http://www.vrmag.org/issue23/TRAVELING_THE_WORLD_IN_MOTION_VR.html

360-degree mirror lensとありますので、ワンショットミラーでの撮影の様です。Canon20Dで毎秒5コマ撮影、とあります。

でもやはり動画では今はLadybug3でしょうね。
近距離でのスティッチのズレがどこまで近寄れるかが知りたいです。

(遅レス御免>ALL)

>aikawaさん江
Ladybug3を実見されたので、もはやLadybug2はチープに見えますか?ただLadybug3のリリースで安くなっているのなら、今、メチャクチャ欲しいんですよねぇ<Ladybug2(100万切ってないかなぁ)
こないだのイベントの懇親会で、モーションVRの様々なコンテンツを山澤さんから見せて頂きました。もう、たまんないです。妄想が膨らみすぎていて、今アタマの中はパッツンパッツンです!

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