第1回パノラマ撮影会レポート
大変長らくお待たせしました!
去る4/13日(日)にこのブログ「QTVR Diary」が主催した「第1回パノラマ撮影会」の模様をレポートしたいと思います。
既にYouTubeにレポートムービーを上げていますので、ご覧になった方も居るかと思いますが、一応、開催の経緯を簡単にご説明を。
当初は、このブログに情報をご提供いただこうとコンタクトを取った宮崎の「よしみカメラ」さんが、4月12日のセミナーイベント「QTVR Diary -OFFLINE- vol.3」にお越しいただけ、さらにこの会社が輸入しているハイエンドギガピクセルパノラマ撮影機材「Roundshot D3」の実機を持って来て、デモしていただけるというお話になっており、そのイベント会場でのデモだけだったのです。
それが、去る3/16に東京で開催された「DEMOsa」で、NASAとカーネギーメロン大学が共同で開発したローエンドギガピクセルパノラマ撮影機材「gigapan」のデモが行われるというお話を知り、いてもたってもいられなくて、日本で唯一のβテスターと思われるITライターの大谷和利さんにコンタクトを取り、いろいろとお話を伺っていると、大谷さんも4/12のイベントにご来場いただけるというお話になりました。
現在入手し得るギガピクセルパノラマ撮影機材のハイエンドとローエンドの両翼が一堂に会する又とない機会なので、折角ならば同じ被写体を撮ったらどのような工程を踏むのか、を同時に"見る"機会を作りたいなぁと思い、イベントの翌日に、桜満開の京都の風景を撮影するイベントを企画したワケです。
イベント開催を決定しリリースしたのが3月24日。ホント直前でした。
調整やらなにやらで、こんなに大変だと思いませんでした(社会科見学ブームに火をつけたぴろり、君は、ホンマすごいっすわ)。
しかも今年は桜の見頃が本当に早く、しかも短い!
例年だと4/12頃は、南禅寺や哲学の道、岡崎周辺が見頃なんですが、今年は1週間早い感じもしたので、ギリギリまで場所を決めずに見極め、結局は世界遺産の仁和寺を撮影会場にすることに決めました。
ココは世界でも珍しい低木の桜「御室桜」が有名でです。
(その生態は全くの謎でした。今年の1月から科学のメスが入り、謎の究明に乗り出したんだそうな。詳しくは京都新聞の記事及び調査元の住友林業のサイトをご覧下さい)
そんな世にも珍しい桜はまた、京都の桜名所の中でも遅咲きで有名で、しかも桜苑には緋毛氈が敷かれた床机で宴を催す事も出来るのです(席料1人1,000円)。
ココに「森のハンバーグ屋さん」という上京区にある洋食屋さんでお願いしたケータリングの弁当を持ち込んで昼食を食べつつ、目の前にある桜を愛でながら、撮影会を行ったのです。
夕方から雨が降る、という予報だったのであいにくの曇り空でしたが、何とか天気は持ちました。
(帰り際から降って来て、間一髪といった感じです)
さて当日ですが、突然の決定もありなかなか集まってもらえないかなと思いきや...東京から写真家の岩本朗さんと建築家の角田孝さんのお二人の参加を頂戴し、少人数ながら和気あいあいとした雰囲気の中、撮影会を執り行うことが出来ました。
当日は、よしみカメラの一木(ひとつき)社長がRoundshotD3を、大谷さんがgigapanイメージャーとKODAK EasyShareV570を、岩本さんと角田さんはお二人とも独自で作られたマウントを、そして二宮はNidalNinjaとagno's RingT+MrotatorHを持参しました。それぞれ独自の撮影方法を見比べながらTipsの交換会と相成りました。
当日の様子は簡単に映像にまとめてYouTubeに上げてありますので、ご覧下さい。
(初めてビデオ編集なんぞしました。メチャクチャ苦労しました...皆さん、こんな面倒なことしてるんですね。大変ですわ、マッタク)
さてこの辺で、当日のメインともいえるRoundshotD3とgigapanイメージャーについて、ボクの感想を記しておきます。
まずはRoundshotD3から。
いやぁ、コレ、ホント凄い機材ですよ。1周2秒は"ホントウ"でした。
この目で見るまで信じられなかった激烈な速さはダテじゃないです。
その辺りは映像をご覧頂くと一目瞭然なんですが、何よりスゴイのは、撮ったデータがほぼリアルタイムで転送されるその仕組み。
確認が便利なので一木さんはタブレットPCでの操作を行っていましたが、この専用ソフトWin版とMac版が用意されていて、ギガビットイーサが使える高速CPU環境なら、何でも使えるそうです。まるでライブビューを見る様な感覚でギガピクセルクラスのパノラマ画像を確認できるのは、驚愕のナニモノでもありません。
実寸拡大も瞬時に出来るので、再撮影をしようという気になってしまうほど、気軽に撮れてしまいます。
(データ転送がボトルネックになっている、という噂を耳にした事もありましたが、全くの杞憂でした)
スキャンラインの縦のピクセル数は最大7500px(2500pxなども選択できるようです)で、レンズの焦点距離により1周のピクセル数は変わります。この日はシュナイダーの中判用17mmフィッシュアイレンズを装着していましたので、横幅は30,176pxでした。
またCCDバッグは数センチ上下に動く機構になっているので、アオリ撮影のようなことも出来るようです。
またHDRI生成は近日中に行われるソフトのアップデートで可能になるそうです。おそらく3周するのではないか、とのことでした。
撮影感度は12bit、そして基本出力フォーマットはTIFFです。またJPEG出力も対応してますので、すぐに見たりカンプ渡しにも便利です。
レンズは中判用の他、35mm用も使えるということなので、Nikkor16mmも装着できるのでは、という話でした。
こちらは後日(というか"いつか")テスト撮影をしていただけるというお話になっていますので、期待したいと思います。
またこのシステムの有難いのは、レンズデータがソフトに全て入っていて、レンズのフォーカスによって変わるノーパララックスポイントの数値も自動で表示してくれます(そんな数値データベース、どっから入手したんだか!)。
その数値を元にカメラ本体の下にあるスライドレールを目盛りを見ながら調整することが出来ますので、NPP調整もぜんぜん苦じゃないです。
ホント、至れり尽くせりですね!
何しろ、余りの気軽さに呆気なさを感じるほどです。
圧倒的な解像度と驚愕の撮影速度、秀逸なUIの編集ソフト、そしてメンテナンスが楽な扱いやすい本体。どれを取っても1級品のオーラがビンビンに漂っています。
RoundshotD3は「CCDバッグ/カメラ本体/モーター部/レンズ/ソフトウェア」が一式になっています。これにコンピュータを含めてセットにして考えると約600万円の機材になりますが、この対抗馬となるPanoscanやSpheroCamHDRを考えると、もしかしたら、とっても安いのかもしれません。
世界で一番新しく開発されたパノラマ撮影機材として、今後も注目していきたいと思います。
(最近はPanoscanも細かいアップデートをどんどん重ねていますので、Seitz社もウカウカしてられないと思いますけどね!)

当日撮影したデータを頂戴しましたので、掲載いたします。元データは7,500×30,176pxです。
これを1,000×4,024pxまで縮小した簡易JPEGデータ(画像劣化していて、トーンジャンプも発生してますが、元データは非常に鮮明で奇麗な諧調です)は、こちら(別画面表示されます)。
そして上の写真の□部の実寸写真は、こちらをご覧下さい(このページ内で拡大します)。
で、次はgigapanイメージャーです。
前日から調子が悪かった大谷さん持参のgigapanイメージャーですが、じっくり拝見することが出来ました。
その特徴は、なんと言ってもその大雑把さ!(爆
シャッター機構はなんとメカニカル。電子制御にしない分コストを抑えている感があります...というか、一事が万事、全てローコストの痕が見て取れます。
単3乾電池6本を納めるフタも、固定は筐体に付けられたネジの頭を噛ませるだけ。アイデア勝負ですね!(笑
大谷さんの使い方も結構ガシガシ乱暴っぽく見えたのですが、気のせいではないはず。そんな扱い方をしても問題ないところを見ると、万人向け製品を狙ってるのがよく分かります。
カメラの装着に関しては映像をご覧いただくとして、液晶画面による操作パネルは至ってシンプルです。
垂直方向と水平方向の回転角を指定すると、撮影枚数が自動で算出され、撮影時の現在の撮影枚数が表示される、という仕組み。
そういえば、焦点距離に対してどれだけの枚数の写真が必要なのか...っての、出るのかどうか訊いてなかったな(自滅)。
その辺り、大谷さんからフォローがあると嬉しいなぁ...(他人任せかよ)。
カメラの電池やメモリーカードの交換に関しては、いちいち装着ネジを外さないといけないけど、クイックリリースシューなどを填めれば解決する話ですね。
仕上がりに関しては、gigapanスティッチャーの仕事。こちらは未だ非公開のソフトなんだそうです。
垂直/水平方向の枚数を入力すると、プレビュー画面よろしく撮影順に並べてくれるので、操作はシンプルで見やすいUIでした。
但しスティッチ時間は予想通り、とんでもなく時間がかかります。簡単なもので数十分、全方位分で数時間のスティッチ時間がかかるんだそうな。そらそやな!
とにかく「誰でもどこでも高精度のパノラマ写真を」という主旨が感じ取れる機材でした。
βテスターの購入価格が300ドルしないということもあり、とってもチープな作りでしたが、そのぶん仕組みが理解しやすいこともあり"自分で直せる"余地がいっぱいある機材でもあります。
扱い方も慣れてしまえば覚える事は極端に少なく、頑丈さは置いておけば、かなり扱いやすいのではないかと感じました。
この日の撮影データは、大谷さん自身がgigapanウェブサイトに既にアップしています。こちらをご覧下さい。

■gigapan : Ninnaji Temple 1/2
http://www.gigapan.org/viewGigapan.php?id=4376
最後に、撮影会風景を幾つかお送りします。
撮影会の後は場所を移し、角田さんの手引きで祇園宮川町の気軽な素泊まり宿「澤食(さわい)」にて、楽しい夕餉を開いて頂きました。
角田さんとは古くからのお付き合いらしく、角田さん設計の新設カラオケルームなどで様々な宴会を催す事も出来るようです。今後、様々な機会でパノラマ関係の行事に使わせて頂けるとの事。本当にありがとうございます。
当方としても今回は反省材料が山盛りあり、本当に至らないことばかりでご迷惑をおかけしたかもしれません。心よりお詫び申し上げます。
そして次回を許して頂けるのなら、またこのような機会を設けたいと思います。
その節は皆様、お誘い合わせの上、ぜひご参加くださいますよう宜敷くお願い申し上げます。
2008年6月14日(土)15:00〜17:00 参加無料のイベントです。お気軽にお越し下さい!
親睦会の参加申込もこちらからどうぞ

Panorama ¥1,200- ★★★ |
Pano ¥350- ★★★ |
PanoLabo free ★★★★★ |
PanoLabo Pro ¥600- ★★★★ |
TripStitch ¥1,200- ★ |
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PangeaVR free ★★★★★ |
PangeaVR Pro ¥2,300- ★★★★★ |
Cube World free ★★★★ |
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いつも行けないのでレポート楽しく読ませていただきました。とても興味深い撮影会だったようですね、お疲れ様でした。
>sizuさん江
もう、いつになったら来てくれるんですか!(笑
...ってゆーか、東京でのイベントを開催すればイイんですけどね。
早くても今年の秋とか年末とかとちゃうかなぁ。
誰か、ホンマに、東京開催のスポンサー、探してくれへんかなぁ?
で、PodcastやWebStream出来る環境にある会場があれば、
生中継や録画&YouTube配信(orニコ動)とか出来るんですが...。
最近は、VideoWarpとQuartzComposer/OpenGLにハマってるので、
その辺を絡めて話が出来ると、
東京の人にはかなり食いつきよい筈なんですが...。
この辺って、関西で話をしても、あまり食いつきよくないんですよねぇ。
最先端技術ネタって、やっぱり東京なのかな?
両日の詳細レポート、ようやくじっくり拝見できました。なるほど、参加したかったかも。早速質問です。
1)動画の冒頭でRoundshotD3が1周してる部分がありますが、このスピードで作例にあった7,500×30,176pxの画像を撮影できるンでしょうか?
2)この作例を撮影した際のシャッタースピードがわかれば教えてください。
3)作例は撮影前にカラーキャリブレーションをしてから撮影してました? 天候のせいもあるンですが、色味がちょっと残念な感じなので...。
当日参加して聞け!って感じですが、ワカル範囲で教えてください。でも、作例を拝見する限り、動いてるモノはやっぱりぐにゃりとなっちゃうンですね。拡大画像の瓦のエッジなどにノイズがのっちゃう感じもpanoscanと同じようだし。
よろしくお願いします。
>takagiさん江
1)映像の冒頭にある1回転の撮影が、まさにフル解像度の撮影スピードです!これでも4秒ぐらいですかね。速いよなぁ。
2)メモった紙を無くしてしまって...後でよしみカメラさんにメールして、聞いておきます。他にも聞きたいことあったら、コメントしてください。まとめてメールしますよ。
3)この辺りは生データからJPEGへ変換するときのエラーだと認識しています。印画紙出力のデータを多数拝見しましたが(ポートフォリオにたんまり20枚くらい)、撮ったそのままを(USMもかけずに)出力したらしいですが、もっちゃりはしてますが、トーンジャンプや色かぶりなどを感じない、すっきりした絵に仕上がってました。
確かに当日の気象条件が非常に悪いので、360°撮影には向いてなかったかもしれませんね。
あと、拡大画像のエッジのノイズは、たぶんJPEGにしたときのピクセル劣化だと思います。モニタで見る分にはもっと鮮明でしたし、出力した印画紙でもエッジのノイズは気になりませんでした(ルーペで見れば確認できるかもしれませんが、それはしてません)。
動体のブレは、もう仕方ないです。回転速度がこの程度なので。
...でもこれ、スリットスキャンパノラマカメラの宿命ですよね。
これをフォローするのは、無理なんじゃないでしょうか?
それでも、これだけ回転速度があれば、ゆっくり動く物体に関してはそんなに気にしなくても良いかもしれません。いかがでしょうか?
素早い回答どーもです。“拡大画像の瓦のエッジのノイズ”だけど、スマン、書き方が悪かった...。手すりとか相輪のフチとかに顕著に出てるグリーンの色滲みのつもりでした。レンズ性能に左右される部分もあるし、遠くのものを魚眼レンズで映したものなので、望遠で撮った画像とは違うのは当たり前なんだけど、最新型ってことでつい期待しちゃいました。近景のサクラの花びらの拡大画像なんてのがあればわかりやすいかなぁ。あと、3)の色問題だけど、Pnaoscanの場合、最初にカラーチャートを使ってキャリブレーションするのが撮影のフローとして推奨されてるンだけど、当日はこの行程を省いてたのかどーか知りたかったのでした。
>動体のブレは、もう仕方ないです。
ですなぁ。RoundshotD3登場時に“波ザッパーン”なサンプル画像があったのでこれまた期待しちゃったンだけど...。
ま、いずれにしてもこのスピードはさすが最新型って感じです。赤く塗りたくなっちゃうかも(笑)。
にのみや様、こんにちは初めまして。いつもたくさんの有益な情報を楽しみに読ませてもらってます。東京でパノラマを細々と撮っているRoundshot Super 220 VRユーザーです。
D3の記述についてなのですが、そちらよりも少し早く東京で試写をさせてもらいました。そこで本文中のちょっと気になった点を補足させていただこうか、と思い書き込ませていただきます。
まず、装着していたレンズですが、これはシュナイダーのデジター38mmだったと思います。フィッシュアイではございません。ジナー等のデジタル専用のレンズで、D3に装着すると、ハッセルのSWCとほぼ同じ画角になります。35mmフィルムで言うと長辺側で18mmくらいでしょうか?
それから、出力フォーマットはDNG、TIFF、JPEGだったと思います。
NPPのデータは、実はフィルム時代からSEITZ社は各種データをとっていまして、Roundshotのマニュアルに記載されております。
そのリストはPDFマニュアルとしてどなたでもダウンロード可能です。
http://www.roundshot.ch/documents/Roundshot_Super_220_VR_Simple_Skin_Instruction_Manual.pdf
このPDFのP38から最終ページまで、Nikon、LeicaR、CONTAX(YASHICA)35mm、SIGMA、Hassel、Pentax67、Rollei3000、Mamiya645、の各種マウントレンズのNPPデータがずらりと並んでおります。
(以前のマニュアルにはCanonFDもあったのですが、最近はなくなってしまいました)
魚眼系やAPSフォーマットレンズのデータはありませんけれど、皆様のお役に立つのではないでしょうか?
また、グリーンのフリンジノイズですが、我々が現場で等倍拡大して見たところ、やはり出ていました。これはソフトウエアがまだこなれていないことが要因のようだ、とよしみカメラさんはおっしゃっておりました。(日々バージョンアップされているらしいです)
細かいことをいろいろ申して恐縮です。これからも様々な情報を期待しております。
長々と失礼いたしました。
>deluxe.さん江
初めまして、ようこそいらっしゃいました。
お名前は予々存じ上げておりましたが、
こうしてコメントいただけるとは、恐縮の極みです。
さて、ご指摘/フォロー、ありがとうございます。
ボクの方も、当日はホスト段取りに必死で、
ちゃんとした情報を集められないままになってしまい、
記憶だけで書いてしまったので、大変ご迷惑をおかけしました。
当日D3を拝見した時に思った感想が、
「意外と頑丈そう!」ってことでした。
パーツがブロック化されているので、
扱いが非常に簡単そうなのと、メンテナンスが楽そうだな、と思いました。
この手のブツって、精度を出すために、かなりシビアなセッティングをしなければなりませんが、
その辺のフォローを、ソフトも込みでしてる感じがして、
非常に好感がもてました。
「撮影が面倒ではない」というのは、この手の機材ではあまり考慮に入れない項目ですが、
それでも、気軽に何枚も撮っても良いのなら、こんな有難いことはありません。
「量産」という意味でも、非常に有効利用できるのではないかと思います。
NPPのSeitz社の資産は、なかなかのモノですね。
このデータベースだけで、今度ウチのブログ記事作ります!(笑
こういう“きちんとしたコト”をしてるメーカーが少なくなってる昨今、この起死回生のハイエンドガジェットには、頑張ってほしいものです。