The World Wide Panorama "Transportation"

 世界中のパノラマクリエイターが一堂に会して開催されるオンラインイベント「the World Wide Panorama」も11回目。同じ日程に撮影を行う「時間の縛り」で、同時間に世界ではどんなことが起こっているのかを垣間みようという当初の趣旨からどんどん離れて行ってるような気もしますが、それも各クリエイターの表現の幅がどんどん広がって行ってる証拠だと思われます。今までパノラマクリエイターにとって発表の場が少なく、従って技術的/意匠的な方法が自己流で産み出さなければならなかったのが、いきなり世界レベルでクリエイター同士の交流が行われるのですから、その進歩は凄まじいものがあります。既に淘汰されてしまいそうになってる表現もあって、今は本当にパノラマ表現の過渡期と言えるのではないでしょうか?その一翼をこのイベントが担ってるといっても過言では有りません。

The World Wide Panorama
Transportation - The World Wide Panorama - QuickTime VR Panoramas
http://geoimages.berkeley.edu/wwp906/index.html

 今回のテーマは「Transportation」ー輸送や運輸、運搬など移動にまつわる被写体で作品を作ってこいというテーマでした。
 実に難題です。というのも、QuicktimeVRで表現されるムービーは、実は時間軸は全く動かないコンテンツ、即ち「動画」ではありません。本来動きを伴って然るべきテーマに於いて、静止画が表現できることは限られています。増してや360°を擁したフルパノラマ写真では、動いていない部分の「間」がとても大事になってくると思われますが、どうでしょう?




 さぁ、今回はどんな力作が登場してますでしょうか。QTVR Diary的にオモシロイ作品をピックアップしてみました。


まずは正統派から。
The "Öchsle" Steam Train(Christian Stehle)
ドイツの古い狭軌道の蒸気機関車の運転席のフルパノラマ。さすがに走ってはいませんが、汽笛も入ってとってもイイ気分です。


もうひとつ電車のシーン。まさかこんな場所が日本に!
Tsurumi Line and Keihin Canal(酒井 創介)
東京を拠点に活動される酒井さんの作品は、まさに正統派!このズレないブレない軸で、ずっと続けて行ってほしいものです。
そして今回選ばれた場所がまたニクイ!被写体とは正反対の背中越しの風景が、なぜにこれまで美しいのか!本当にいつまでも見ていたくなる作品です。


そして中国では現役のヒューマントランスポーター「人力車」。
Rickshaw Boy(Tamas D.Varga)
ボクの作品と同じ「人力車」をテーマにしていますが、こちらは人力車の中から撮ってます。構図とポーズが面白いですね。
ところで人力車って英語で「Rickshaw」って呼ぶんですね。知らなかったぁ...これってもしかして「力車」からですか?


移動中の荷物の気持ちになっている作品が、こちら。
Packed in the POD(Tim Poulsen)
最初なんでこれが「Transportation」なのか分からなかったんですが、よくよくキャプションを読むと、まさに彼の引っ越しの真っ最中!その運搬カーゴ(=POD)の中身を撮ったんだそうな。極々パーソナルな物流風景です。なんかとっても無茶な積み方してそうなんですが、無事に運べたんでしょうか?


次は収穫直前のカボチャの気持ちになれる作品です。
Pumpkin - Ready for Transport(Gabi Haindl)
地上10cmから見た畑の風景。こういうの、個人的に大好きです!


Mushroom Hunter's Basket(Flemming V. Larsen)
デンマークのキノコ狩りのワンシーン。かごの中には様々なキノコが既に入っています。焼くのかな?煮るのかな?
ボク自身が体験した信州でのキノコ狩りがまさに追体験できた、とても嬉しい作品でした。


そして赤ちゃんにも移動は大切です。
Marianna in Her Push-Chair(Piotr Popik)
こんな美しい景色の場所に連れて行くことこそ、情操教育の基本でしょうね。こういう環境で育つ子供が羨ましい!


Our Home Elevator :-)(Alessandro Ugazio)
3階までエレベーターが無いので、物の大量移動は階段越しの人海リレー!正統派ですね。家族総出な感じがとっても微笑ましいです!


過去の移動の痕跡も。
Old Machine(Koen Verschaeren)
レンガ工場の中にあった粘土のコンベアですね。たった3ヶ月前まで稼働していたとは思えない寂れ方ですねぇ。


そして今回ボクが一番衝撃を受けた作品が、こちらです。
Taiwan - Island and the Neighbors(Mike Lin)
GoogleEarthをベースに様々な衛星写真を使って、自分の国の地上430km地点から周辺を見渡した作品なんて、まさかこんなのが出てくるとは思いもしませんでした。テーマからはちょっと外れるかもしれませんが、とにかくびっくりしました。QTVRの表現の可能性がまた一歩広がったような気がします。




 「Transportation」というテーマを貰った時に、みんながすぐに思い浮かべるのは、やっぱり「列車」なんでしょうね。その次に「飛行機」ですか。大量輸送の2台巨頭ですからねぇ...でも、もっと大量に運べる「船舶」が少なかったのが意外でした。しかも「自動車」はあまりインパクトのある作品が少なかったですね。
 上記4手段はどうしても見せ方が決まってくるので、ありきたりに見えるんですかねぇ?どうなんでしょう?
 作品として見た場合、これら以外の手段を考えた方が面白いのかもしれません...が、外れすぎると、ちょっとねぇ(苦笑)。

 それにつけても、日本人作品のなんと技巧的なことか!
 視点や技術が、かなりひねくれてます。
「人と違うことをしよう」というのが見え見えですね(苦笑)

 そういう意味に於いては、ボクが今回発表した「人力車に乗る花嫁」は、ベタベタでしたね(自滅)。
 次回はもうちょっと“まとも”な作品を出してみたいと思います。

 みなさんは、どの作品がお気に召しましたか?沢山のコメントをお寄せくださいませ。楽しみにお待ちしております。
 次回のテーマはもう決まっています。年末恒例の「Best of 2006」。今年作ったQTVR作品の中で自信作を出し合おうというテーマ。
 去年は自分でも会心の作品だったんですが、今年は未だそこまで自信満々の作品が出来ていません。これからやろなぁ。うんうん。がんばります!次回の「the World Wide Panorama」も、お楽しみに!

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コメント(7)

酒井氏のリンク、間違えてますよ(笑)

いつも楽しく拝見してます。私も次回は是非応募してみたいと思います。時間軸がないのはそれはそれで面白いのですが表現の幅が小さくならざるを得ないですね。motionvrの技術に期待ですね。花嫁のvrも良かったです。日本人の方のリンクが切れているみたいで観れませんでした…

>shikanoさん江
あ...済みません(汗;;
直しました・・・が、今度はページが表示されない事態に。他の人のも見られないみたいで、どうやらサーバ障害のようです。ココんとこ調子悪いですねぇ。せっかく世界中に見てもらえるコンテンツなので、スポンサーを募ってサーバ増強して欲しいものです。

>sizuさん江
初めまして、こん◯◯はぁ!
ようこそQTVRワールドへ!
MotionVRも現在でも勿論存在します。しかし撮影機材や解像度、CPUパワーなど様々な問題で、なかなか面白みのある作品に未だ仕上がっていないのが現状です。基本的にはkaidan360OneVRのようなワンショットパノラマ撮影ミラーをビデオカメラに装着して撮影し、ソフトウェアで動画のコマを全て変換する、という作業のコンテンツになります。日本でも映蔵のSOIOSは元々ロボットの眼の開発から下がって来た技術なので、360°動画にも対応していたはずです。今後、MotionVRも技術革新が来るのではないかと思いますが、もう暫く先のような気がします。

拙作品をお褒め頂き、有り難う御座居ます。ホント、恐縮です。未だ8mm魚眼を入手してないので、全く無謀な撮影でした。周りの迷惑顧みず、4周もしてしまいましたから(爆
今後とも、宜敷くお願い致します。

人力車拝見しましたよ。
最初、首が無いので異次元へのTransportationかと。。。
花嫁さんの表情が良いですね。若いって素晴らしい(意味不明!?)。

にのみやさん、こんばんは。何だか見慣れた名前があり驚きました(笑)、ご感想ありがとうございます。Transportation=鉄道と云う変な(鉄道ファンには当然の?)縛りから抜け出せず苦労しました。空模様だけは予想がズバリ的中し随分と助けられましたが、風が強いやら寒いやらで風邪ひきそうになりました〜

>keijiさん江
いやぁ、お恥ずかしい。
だいたい、こんな密集地帯で、仰俯角30°ずつのマルチロウなんて、無謀すぎです、分かってます(泣)毎年訪れてますが、今年は例年以上の盛り上がりで、時代行列の撮影砲列も、いつもの3倍ぐらい居たんですよ。完全に読み違いでした。
これでもかなり修正したんですが、さすがにやっぱり合成しきれない人が3人ほど...ゴメンナサイ。次回はマトモな作品作ります。(早くSIGMA8mm取りに行って、群衆撮影も出来るように腕磨かなくちゃ)

>soooさん江
いやぁ、紹介しちゃいましたヨ!(笑
元鉄チャンのボクなんですが、今回は4大交通(車/鉄道/船/飛行機)は外してみました。他の人がどうせやってるやろし、ってね。
それにしてもイイ作品でした。仮アップ段階で早めにリリースしていた時から、「嗚呼、今回の作品群の中でも抜群の印象やなぁ」と思って見てました...し、出そろった後でも感想が変わらないぐらい、完成度高かったですね。次回も期待ちゃいます!(笑

旅好き・乗り物好きなので、今回のWWPは“細かすぎてソノ道の人にしかワカラナイ見どころ”が多すぎて困っちゃいます(笑)。

 keijiさんに返事書いてるのに、また蒸し返しちゃうよーでアレだけど、花嫁人力車、ネタが羨ましいだけにモッタイナイねぇ。 納得できない作品なら公開しない勇気も大切です。

あえて愛のムチ(笑)。頑張れー。

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